病院で水中運動をすすめられたけど、
水中運動って、どうすればいいの?
泳げないけどできるんだろうか?
歩きなさいってお医者さんは言うけど、
ただ歩けば膝の痛みがなくなるだろうか?
そもそも水の中で歩くことでどんな効果があるの?
泳げない人はプールに入ること自体が
慣れないと勇気がいることですよね。
でも、この記事を読んでいただければ、
プールに行ってみようかな! と思うはず。
水中運動って何?
水泳とは違い、頭部を浸水させずほぼ立位姿勢で水の特性を利用して、
手足やカラダを積極的に動かし、健康・体力づくりを目指す運動です。
水中ウォーキング、水中ジョギング、アクアビクスなどのことを言います。
水中運動の特性
水中にいる人は、浮力、揚力など陸上にいる時と異なるチカラを受けながら運動したり静止したりしています。
浮力
浮力とは、カラダの水中にある部分の体積と等しい分の重さぶんだけ、重力と反対方向に働く力です。
骨が太くて筋の多い人は浮きにくく、脂肪の多い人は浮きにくい。
男女を比較すると、脂肪の多い女性の方が浮きやすいのです。
浮力の働きによって、水中で歩いたりジャンプしたりしても、
陸上で行った場合に比べて脚が床から受ける衝撃が小さくなります。
そのため、陸上では脚や膝を痛めやすい運動でも、水中ではカラダに無理な衝撃を加えることなく実践できます。
抵抗
水中や空気中を移動すると、移動方向と逆向きにチカラを受けます、このチカラを抵抗といいます。
水を空気の密度を比べると、水の密度の方がかなり大きく、そのために同じ速度、同じ姿勢で水中と陸上を移動すると、
水中で移動したときの方が約800倍も多くの抵抗を受けることになります。
水中運動をするときには、大きな抵抗を利用して、効率よく筋を活動させることができます。
たとえば、水中で腕を動かす時、手を握った時と開いた時とでは、進行方向に対して手を開いた時の方が腕にかかる抵抗は大きくなります。
また、ゆっくり動かしたときと、速く動かしたときとでは、速く動かしたときの方が抵抗は大きくなります。
抵抗の大きさを調節することにより、自分で筋の活動量を調節することができるのです。
水圧
水圧とは、水が水中にある物体やカラダに及ぼす圧力のことです。
水圧は、水面からの深さが10センチ増すごとに、約0.01気圧ずつ増してゆきます。
水面に近い胸部や腹部よりも足先の方に高い圧力がかかっているので、アクアビクスや水中ウォーキングを行うと、
静脈血が心臓へ戻りやすくなります。
心臓へ戻ってくる血液量が増加すると1回排出量が増加し、その結果心拍数は減少します。
そのため、同じエネルギー需要量の運動でも水中では陸上で行うよりも低い心拍数で実践することができるのです。
水中運動の効果
水泳、水中運動は0歳児から高齢者まで、幅広い年代の人が実践できます。
また、肥満気味の人、脚のチカラが弱っている人にとっては、負担が少なく自分のペースでできるので
障害の発生率も低いおすすめの運動です。
◆ゆっくり泳ぎや水中ウォーキングはエアロビック運動であるため心肺機能の向上が期待できます。
◆水の抵抗を利用して、筋を鍛えることができます。
◆水中にいることにより、血管の収縮、拡張機能が高まり、体温調節機能が向上するので新陳代謝が活性化されます。
◆地上で加わる筋の緊張がとれ、下肢の血液循環が良くなりむくみなどの改善もみられます。
◆関節可動域を広げた状態での運動がしやすく関節可動域の改善に有効です。
◆バランスのとりにくい水中での運動によりバランス能力が向上します。
◆関節などの痛みを有する人では痛みが軽減します。
水中運動
アクアビクス
アクアビクスは水中で行う有酸素運動です。
エアロビクスを水中で行うようにアレンジしたリズム運動です。
浮力のために膝や腰に衝撃が少ないこと、水の抵抗を利用して、運動量を調節できることなどの利点があります。
1回の運動時間は45分から60分程度です。
足踏み、前後や左右への歩いての移動、ジャンプ、ジョギングなどを取り入れて、目標心拍数に達するように心拍数を上げます。
移動スピードを速めたり活動する筋群の筋活動量が多いほど、また活動する筋群数が多いほど心拍数は上昇します。
下肢の動きだけでなく、腕の動きを加えることでより心拍数は上昇します。
水中ウォーキング
水中を歩くことによっても、エアロビック運動の効果が得られ、さらに下肢を強化することもできます。
ただし、ゆっくりと歩いていたのでは心拍数はあがらず運動効果は期待できないので
〇底をしっかりと踏みしめる
〇腕を大きく振る
〇前傾姿勢をとり水を押しのけるようにして進む
など大きく動いていくことや、キックをしながら歩いたり、横歩きをするなど、
筋を鍛えながらの水中運動でより高い効果を得るようにしましょう。
水中レジスタンス運動
水の抵抗を負荷としてレジスタンス運動を行います。
水の抵抗は、動く物体の投影面積に比例して、また速度の2乗に比例して大きくなるため、
それらを調整して負荷の大きさをコントロールします。
アクアグローブ(水中運動用手袋)などを利用して行うとより抵抗が得られます。
アクアグローブ
水中運動は泳げない人でもできますし、
プールサイドまで杖をついて来られる方も、
水に入った途端、スイスイと自由に動いて楽しそうです。
長くできる運動ですから是非おすすめしたい運動です。